先日、メキメキ力をつけてきたHさんの話をブログで紹介しました。
(参照:【中学生指導】コツコツやって着実に学力をつけてきているHさんの話。)
Hさんに限らず、力をつけてきている生徒は似たような経過をたどっています。
今日はこのことについてちょっと話をしてみたいと思います。
塾に来る生徒というのは、何かしら、勉強に関して問題を抱えているのが普通です。
急に成績が下がってきた、学校の授業についていけない、自分で勉強をやっていて限界を感じてきた などが、よく聞く話です。
面談で話を伺い、体験授業を経て気に入ってもらえたら入会していただき、指導が始まります。
1.正しい勉強をさせる
塾に通いだしたばかりの生徒は、勉強のやり方が無茶苦茶な場合があります。
特別なことを教えるのではなく、勉強のやり方の基本を教えていきます。
・教科書を見ながら問題を解かない。
・一気にたくさん問題を解かず、答え合わせをこまめにする。
・解説をしっかり読む。
だいたいこういったことでしょうか。
もちろん例外はあって、教科書なしでは全く問題が解けない生徒の場合、最初は教科書を見ながら問題を解かせることがあります。
逆に学力の高い生徒の場合、ある程度一気に問題を解かせたりします。
細かいことは生徒の学力に応じて多少変えていくわけです。
2.意欲を損なわないよう気をつける
わからないことが増えすぎると勉強する意欲がすぐに低下してしまうので、勉強に自信のない生徒の場合、「先生と生徒で一緒に考えていく」という感じで勉強を進めます。
ある程度慣れてきたら一人で練習問題を解いてもらいますが、詰まっていたら早めに助けは出すようにします。
ヒントを出したりもしますが、その前に、
・何を聞かれているのか改めて確認させる。
・解答のヒントが問題文にないかもう一度探すよう促す。
・わかっていること、わかっていないことが何か整理させる。
といったことをします。
この時点で問題を解くことができれば、生徒は
「自分で解いた。」
という気持ちになれます。
これが次の問題を解く意欲になります。
3.勉強の習慣をつける。
宿題を出してそれをやってくるよう指導します。
学力を上げたいからといって無理に宿題を出さないように気をつけながら、難易度と量を決めます。
最初のうちは、授業でやったものと同じような問題か、それより簡単な問題を宿題とします。
分量は私が決めることもありますが、
「次の授業までにどれくらいやれそう?」
と聞いて、生徒本人に決めさせたりしています。
答え合わせも自分でやらせるようにし、わからなかったら解説までしっかり赤ペンで書いてこればOKとして、
「できなかったら今度の授業で教えるから。」
としています。
宿題のハードルはなるべく下げたほうがいいと思っています。
中にはなかなか勉強をやってこない生徒もいます。
そういう場合、宿題をいつやるか、日時を聞いておき、その時間に本当に勉強をやっているか、家に電話をしたりもします。
4.勉強の量を増やす。勉強の体力をつける。
学力を上げるためには勉強量の確保は絶対条件です。
そこそこ宿題ができるようになってきたら、徐々に宿題の量を増やしていきます。
こざかい学習塾では簡単に勉強の記録をつけさせているんですが、それを確認し、宿題をやるのにあまり時間がかかっていないようだったら増やしていきます。
この勉強の記録をチェックしていると、宿題を塾の授業の当日にやっている人もいます。
そうであると勉強量を増やすことができないので、ちゃんと宿題は前日までにやるように指導します。
他に、保護者の方々に聞いて、もっと宿題ができそうであるかどうかを聞いたりもしています。
そうやって徐々に宿題を増やし、勉強量を増やしていくと、勉強する体力がついてきます。
すると、増やされた宿題をやる負荷が徐々に減ってくるのと同時に、同じ量の宿題をやるのにも時間がかからなくなってきます。
その状態になると、塾の授業でも、1回でたくさんの内容を扱うことができるようになり、勉強のペースが良くなってきます。
授業でたくさん練習できると、その分だけ宿題も増やせます。
宿題が増えることで、さらに勉強の体力をつけていってもらいます。
5.成績が上がるとき。
すぐに成績が上がる人もいれば、時間のかかる人もいます。
私はこの違い、「勉強の体力」の違いが大きいんじゃないかと思っています。
勉強の体力が十分につけば成績は上がるのではないかと。
体力があると、一見すると勉強をやっていないようでも勉強するスピード早いので、少ない時間でもたくさん勉強できていたりします。
集中力を維持する力もあるでしょうから授業中にボーっとしてしまうこともなく、授業中に覚えてしまったりもしているのだと思います。
勉強の体力をつけるにはたくさん勉強する、練習をする以外に方法はありません。
そのため、どうしても時間がかかります。
勉強に関する書籍やインターネット上の情報を探していると、
「学校のワークを3回を繰り返し解くようにしましょう。」
といったアドバイスがあります。
直に生徒たちと接していると、この「3回繰り返し解く」って、なかなか難しいものだと感じています。
ワークって、いくら前もってやろうとしても限界があるので(習っていないところはなかなかやれませんからね)、結局は限られた時間の中で3回繰り返さなくてはいけなくなります。
これ、勉強の体力がついていないと難しいですよね。
結局のところ、「3回繰り返し解けばテストで点が取れる」、というより、「3回繰り返して解けるだけの力があるからテストで点が取れる」なんじゃないかなと、私は思うのです。
Hさんはコツコツ勉強を続けてくれたおかげで、1学期中間テスト前に「3回繰り返して解く」という領域に達しました。
現在は1学期期末テストに向けて勉強してくれています。
Hさんに続くよう、他の生徒たちも日々勉強をがんばっています。
Hさんのような生徒がどんどん増えてくるよう、一生懸命生徒のサポートをしていきたいと思います。
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