中学受験指導として、ある生徒の算数を見ています。
この春期講習で「図形」の問題を教えているのですが、私も「あれ、これどうやるんだっけ?」
と悩んでしまうことがあります。
そんなときは基本に立ち返り、「自分のやったことのあるやり方」を、一通り試してみるようにしています。
今日やった問題は、三角形の辺の比から面積の比を求める問題、逆に面積の比から辺の比を求める問題です。
ぱっと見て解き方が思いつかなかったときに、
高さが共通で底辺の比が分かっている三角形があれば、その面積比は底辺の長さの比で求まる。
三角形をうまく組み合わせることができないか。三つの図形、A、B、C の面積比が 1 : 2: 3 ならば、A と B 、Cを合わせた図形の面積比は 1 : 5 になるから。
平行な直線はないか。平行線の間隔は常に一定なので、底辺が共通ならば面積の等しい三角形をみつけることができる。
図中にある最も小さい三角形の面積を①として、他の三角形の面積を比で求めていけないか。
逆に最も大きい三角形の面積を①として、他の三角形の面積を比で求めていけないか。
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といったことを一つずつ試していきます。
問題の解き方がわからなかったとき、閃こうとする生徒が多くいますが(そして実際には閃けないことが多いんですよね)、私はこういう生徒に、
「閃くことができればいいけれど、図形が苦手な人に正直言ってはなかなか難しい。テストのときはいつもより緊張しているから余計に難しい。」
「得意な人はパッと閃いているように見えるけど、実はそれ、本当は試行錯誤の回数が苦手な人より格段に多いだけなんだよ。これをやってみたけどできなかった、じゃあ次のやり方をやってみようって。」
「そうやっているとそのうち正解にたどり着くことができる。」
「練習の段階でこれを何回もやっていると、答えにたどり着くパターンっていうのだんだん増えてくる。するとまた、試行錯誤の回数を増えるから、より正解にたどり着きやすくなる。」
「だからやっぱり、コツコツ勉強していくことが力になるんだよ。」
「算数の先生だって、パッと見て答えが思いつかない時はある。でも、これまでに解いてきた問題の数が生徒よりは格段に多いから、『きっと正解にたどり着けるはずだ』って、何パターンも解き方を試すことができるんだよ。」
「だから簡単に解き方がわからない、図形は苦手だってあきらめないでほしい。」
と言っています。
「閃く」というより、「試す」という感覚を大切にしてほしいなと思います。
そのほうが何となく「やれそうだ」って感じがしませんか?
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