勉強方法を言うだけでは身につきません

今日の名古屋はそれなりに日差しは強かったのですが、湿度が低かったおかげかとても過ごしやすい一日でした。

夕方になって外を少し歩いてみると、涼やかなコオロギの鳴き声も聞こえます。

このまま暑さが和らぎ、過ごしやすい日になっていってもらえたらなと思います。

 

さて、昨日の授業のことです。

高校生のKさんに学校の宿題を題材とした英語の長文読解の指導をしていました。

その中で一つ、関係代名詞を用いた一文を和訳する問題がありました。

Kさんは最初はどう訳すのかわからなかったのですが、

「主語はどれでしょう。動詞はどれでしょう・・・」

と、私が英文和訳で注意しなければいけないポイントを話していたら、

「動詞が2つあるから関係代名詞が使われていますね。」

と気が付いてくれました。

 

気がついてからは早かったです。

 

どこからどこまでが関係代名詞なのか、関係代名詞で導かれている文節は何を修飾しているのか、そういったことはすぐに理解してしまいました。

文の構造を完全に理解したKさんですが、最後にまた詰まってしまいました。

 

「言っていることはわかるけどうまく日本語にできない」

 

Kさんはこう言います。

実は、よくあることで所謂直訳を意訳できないということです。

実際にKさんに和訳を聞いてみると、「言っていることは正しいけれど何を言っているのかわかりにくい日本語」になっています。

私はそこで、「じゃあ一旦考えを整理してみようか」とKさんに言い、問題の英文をホワイトボードに書いて、一つ一つの単語の意味とKさんが考えた文の構造(主語・述語と修飾・被修飾の関係)を書き込みました。

知識の整理できたKさんはすぐに自然な和訳を作ってしまいました。

和訳を終えてKさんは一言、

 

「いったん書いてみればいいんですね。」

 

と言いました。まさにその通りです。

今現在わかっていることを紙面上にしっかり書くことで自然と知識は整理され、これまで見えなかったことが見えてくるようになります。

数学で図や表を書いて考えたりしますよね。これと同じです。

勉強では「実際に手を動かしてみる」ことが大切です。

ここに、パソコン教材だけの指導では本当の学力が身に付かない理由があります。

 

今回の授業でKさんは、「英語長文の和訳は、わかったことをいったん書いてみるとうまくできる」ということを自ら学んでくれました。

私は知識を整理する手助けをしただけです。

勉強のやり方を身に付けるには「自ら行う=実際に体験する」ことが大切だと私は考えます。

 

生徒に「体験を与えることができる」ということに、学習塾が存在する意義の一つがあるのではないでしょうか。

今の世の中、勉強に関する書籍がたくさんあり、インターネットからの情報収集も容易で、有名講師の解説する映像授業も手軽に受けることができます。

そんな便利な世の中であるにもかかわらず、アナログな学習塾の存在価値が大いにあると信じている私です。