先週水曜のことです。
「今日やった物理の実験のまとめを明日までに提出しないといけないんですよ。」
夜の授業に高2のY君がそう言って実験レポートを持ってきました。
(分野は「熱力学」です。)
普段は提出までもう少し余裕があるのですが、先生の都合で明日提出になったそうです。
実験の数値を整理するだけならまだしも、「考察」が大変難しそうでした。
実験でわかった熱力学の内容を応用した「水飲み鳥」の原理を説明させる項目などもあったのですが、これはエンジンの仕組みをわかっていないとなかなか難しいものです。
私はこのあたりの内容を大学の授業で教えていましたし、ちょっとしたエンジンを小学生向けの理科実験教室で作っていたことがあったので、その経験を活かしてY君に説明してあげました。
いろいろ説明したのですが、何とか70分の授業でレポートは完成しました。
(後から聞いたことですが、学校の他の生徒たちはあまりしっかりやれていなかったようです。難しいうえに時間が無かったので無理もないことですが。)
本題はここからです。
私はY君に言いました。
「今日みたいな『明日提出しなければいけない課題』があったらそれを優先してやるけれど、授業でこれを続けていると計画的な勉強ができなくなっちゃう。」
「学校の課題で質問があるなら時間のある時にいくらでも答えるし、もしどうしても授業の日にやらないといけなくなるようだったらその日は課題の質問対応をすることにして授業の日を振り替えてもいい。」
「授業でやると決めたことはしっかり時間を取ってやりたいと思う。そうじゃないと学力はついていかないから。」
私がY君に苦言を呈したのは、この日のことだけが原因ではありません。
学校に提出する課題を家であまり進められず、塾の授業で進めるということが続いていたからです。
「それの何が悪いの?」と思われるかもしれませんので理由を説明します。
成績が上がるかどうかは、「繰り返し練習してできるようになったかどうか」で決まります。
成績の伸び悩んでいる生徒は、やり方を聞いてわかっただけでできるような気になってしまい、できるようになるまで繰り返し練習をやらないという特徴があります。
だから私は、授業で本当にできるようになっているか、生徒に問題を目の前で解かせて確認するようにしています。
授業でわからない問題を質問して教えてもらうこと、一人ではできない学校の課題を講師と一緒に取り組むことも大切です。
しかし、授業をそれだけに使ってしまっては成績は上がらないのです。
「じゃあわからない問題があったらどうするの?」と思われるでしょう。
私は授業の最初に質問する時間を設けています。
10分程度で終わる分量の質問であったら全く問題ありません。
また、たくさん質問がある生徒には、
「授業以外の時間でも答えるから何か質問があったらその都度持ってきなさい。」
と言っています。
(質問はなるべく早く解消した方が勉強の効率が上がりますし、こまめに来てもらった方が私も助かります。)
授業の時間はしっかり決められたことをやるようにする努力を、講師も生徒もしないと成績は上がりません。
だから私はY君に苦言を呈したのです。
私はY君に、「質問をため過ぎずにその都度持ってきてほしい。」と改めて伝えると共に、「そのほうが僕としても助かる。」と伝えました。
Y君が「授業外で先生の手を煩わせては悪いな。」と思っている可能性があると考えたからです。
(Y君に限らず、真面目な生徒でこう考える人がいます。)
ここまで説明したことで、Y君はその後、積極的に質問を持ってきてくれるようになりました。
(授業日以外に塾に来ることも増えました)
この調子でがんばってくれればきっといい方向に進めると思います。
Y君の今後に期待しています。
追伸
Y君の持ってくる質問は難しいものが多いです。
先日持ってきた「無限等比級数」の問題はかなり難しいもので、私も解くのに時間がかかりました。
(Y君は県内トップ校に在籍する生徒です)
Y君の期待に応えるべく、どんな問題にでも質問には答えていこうと思っています。
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