昨日の授業(高1のA君)のことです。
グラフが苦手というA君に、数学Ⅰの2次関数を基本から教えていました。
平方完成のやり方、グラフの描き方、平行移動のやり方、一つずつ教えていったところすぐに要点を得てくれて、
「そんなに難しくないですね」
と、A君は言ってくれました。
問題演習はどんどん進んでいきます。
問題集の基本問題が終わって残りは応用問題だけになりました。
これまでやってきた問題に比べて難しいこと、A君が言うにはここが次のテスト範囲になるか微妙なことから、今日は辞めておいて次回やることにしました。
しかしすぐに問題が起こりました。
A君が学校から出されている宿題の範囲を調べたところ、
A君「あ、このページ宿題になっていますね。しかも提出期限は今日です・・・」
私は、いつも授業の最初に「今勉強していてわからないものはない?」と聞くようにしています。
さらに昨日は、2学期中間テストが迫ってきていることから「中間テストの課題でいつも時間がかかったり、やりきれなかったりするものはない?」と確認を取っていたのですが、提出期限が過ぎている課題があることは完全に落としていました。
そこでA君が一言、
「課題はとりあえずサッとやっちゃって出しておきますから大丈夫ですよ。」
と言いました。
A君は以前にも、「宿題はやるにはやっていますが、適当にやっているのでほとんど頭には入っていません。」
ということを堂々と(?)言っていました。
悪びれることなくこう言ってしまう姿勢は褒められたものではありませんが、おそらく半分くらいは「どうせ一生懸命やってもできないし」という諦めに近い感情があるのではないかと思います。
とはいえ、「適当にやる」と堂々と言っているA君をそのままにしておくわけにはいきません。
「課題を適当にやっているとそれこそ本当に分からなくなっちゃうからその姿勢は駄目だよ。」
私が言うとA君は、
「でも提出せずに評定が下がっちゃうよりはいいんじゃないですか?」
と返してきます。
「それはそうかもしれないけど、そもそも適当にサッとやって出すしかない状況にまでなっていることが駄目だと言っているんだよ。そんな最低限の評定の稼ぎ方なんかじゃなく、ちゃんと課題をやる癖をつけないといけないよ。」
私はこう言いました。
今回の課題提出に関してはもう期限を過ぎてしまっているので仕方のないところはあります。
A君に聞くと、次回の課題提出は来週火曜日のようです。
「次はちゃんと提出できるようにここで教えるから。それと、これから授業の初めに毎回必ず宿題の期限を聞くようにするから。」
私はこう言ってA君を帰しました。
A君が数学を苦手にしていることは間違いありません。
しかし授業をやってみて「飲み込みは悪くないのでちょっと教えさえすればできるようになる」という感触をもっています。
学習習慣さえ正せば必ず数学はできるようになるでしょう。
もっとも、学習習慣を正すのは一筋縄ではいかないのですが・・・
粘り強く生徒と向き合い続けていかないといけないですからね。
これがきちんとできることが地域に根差した学習塾の強みだと思っています。
今日も生徒が通ってきます。
一人ひとり、しっかり見ていきたいと思います。
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