今日は高校生の物理(力学)の授業を紹介します。
学校から出されたプリントのの問題がよくわからないというP君に、ポイントを説明しました。
P君は言います。
「まず何からやればいいのかわからないです。」
物理の勉強について、こう思っている高校生、結構います。
私は「どんな力が働いているか、図を使って考えるところから始めよう。これが一番大切だから」と言い、実際に図を描いて見せました。
このときにもコツがあります。
「力にはまず重力がある。そして重力以外の力というのは手で触れるとか、糸をつけるとか、物体同士や物体と床がくっついているとか、つまり”接触”していないと伝えることができない。だから、何と何がくっついているかをよく見てみることがポイントかな。」
こうP君に説明しました。
物体と床が接触していれば「垂直抗力」、糸がついていれば「張力」、ばねがついていれば「弾性力」という具合ですね。
こう考えておけば、例えば「物体の上に物体がのっているとき」のような複雑な問題も考えがまとまりやすくなります。
一通りの図が描けてから、私は説明を続けます。
「次は問題文の表現の意味をしっかり考えよう。『つり合っている・静止している・等速直線運動』とあったら上向きの力の和と下向きの力の和が等しくなる(左右の場合も同じ)。『一体となって動いた』だったら加速度が等しいとか相対速度が0ということがわかる。『加速している』のなら運動方程式を立てて加速度を求めてしまえばいい。」
物理の問題には独特の表現がありますからね。
わかりにくい表現だと思う人もいると思いますが、逆に言えば「あれ、これなんだろう。よくわからないなあ。」と思う箇所が最大のヒントになっているのです。
ただ、そういわれてもすぐにはヒントをうまく読み取ることなんてできるものではありません。
P君も、
「言われればすごく良くわかるんですけど、問題を見て先生のように発想ができません。」
私は、
「前後の問題がヒントになっていることがある。あとは、『~するための質量の条件は何か』のようにより複雑な問題があった場合は、『その条件を満たさないとどんな不都合があるだろう?』と考えてみることも1つだと思う。他には、実際に自分がその場にいると想像してみることかな。自分がどう感じるか?と頭を働かせるとひらめくこともあるから。」
と自分が何を意識して考えているのかざっくりとした説明をして、あとは個別の問題を通じて
「問題文に〇〇とあるから、多分これはこういうことなんじゃないか。だとすると△△なことが起きるから、□□は☆☆になっていないといけない・・・」
というように、自分が何をどういう手順で考えたのか、思考の道筋をP君に伝えました。
ある程度「慣れ」てくればできるようにはなるんですが、私はできる限りそう言いたくないんですよね。
「問題をたくさん解けばできるんだ」とポジティブに考えてもらえればいいんですが、私の経験上、「まだまだ問題を解かないといけないのか、はぁ~」と意気消沈する生徒のほうが多いのです。
物理は「やれる」と思わないと手が止まってしまいます。手が止まってしまえば、図を描くことができなくなってしまいます。
先ほど述べたように、問題を解くために図を描いて考えることが非常に大切なのです。
意欲を失ってしまって手を止め、図を描かなくなっては解けるものも解けません。
(私だって図を描いてみてようやくひらめいた ということがたくさんありました。)
あの手この手を使って、「これならできそうだ」という気持ちを持たせてあげたい。
今日は高校物理のことについて話をしましたが、これは他の学年・教科の指導にも言えることですからね。
指導する際、決して忘れないようにしていかなければと思う次第です。