ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」という作品が、中学1年生の教科書に載っています。
ちょっとインターネットで調べてみると、1947年から現在まで、ずっと教科書に載っているようです。
ということは、私も中学生のころに読んでいるはずです。
ちょっと記憶にありませんが…
蝶の収集に熱情的な主人公が、友人の持っている「クジャクヤママユ」という蝶の標本をつい盗んでしまう。
(「クジャクヤママユ」は主人公が魅了され、欲しくて仕方がなかった蝶)
手に入れて満足しているのもつかの間、人が近づいてくる足音を聞いて反射的にクジャクヤママユの標本をポケットに隠してしまう。
良心に返って盗んだクジャクヤママユを返そうとするが、ポケットに入れたことで標本はバラバラに。
母親に促されて友人に謝りに行くが、当然、許してなどもらえない。
そして主人公が悟ります。
「一度やってしまったことは、もう取り返しがつかない。」
ということを。
そして最後に主人公は、熱心に集めていた自分の蝶の標本をすべて潰してしまいます。
とまあ、あらすじはこんな感じです。
こういうこと、子供のころには経験があるんじゃないでしょうか。
その場の雰囲気だとか、自分の欲望に負けてつい悪いこと、取り返しのつかないことをしてしまう。
そして友人関係にひびが入ってしまう。
こういう子供の気持ちを見事に表現しているのがこの「少年の日の思い出」です。
「こういうこと、あるよなあ…」
と思いながら、昨日の授業(小6国語)でこの作品を扱っていました。
そこでふと思いました。
「この作品を中学生当時の自分はどう感じていたんだろうか。」
「今この作品を読んでいる子供たちはどう感じているんだろうか。」
大変興味深いです。
それとも、「単なる国語の題材」としか感じていないのか…
いや、きっと何かを感じているんじゃないでしょうかね。
人に言わないだけで。
こういう作品に出合える教科書って、やっぱり素晴らしいと思います。
教科書がきっかけで本に興味を持つことってありますから。
私も国語の教科書に載っていて印象深かったものはありますから。
何が印象深かっただろうか…
小学校の教科書なら「大造じいさんとガン」ですかね。
(「残雪」がかっこよかった!)
中学校の教科書は思い出せない^^;
(今読んでみると「少年の日の思い出」なんですが…)
高校の教科書なら断然「こころ」ですね。
ちなみにこれが「クジャクヤママユ」です。
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