よい選択をすることと、合格することは違う

高3の K 君、こざかい学習塾で私が物理を教えています。

そんな彼から相談がありました。

 

K 君は他塾を併用して受験勉強をしています。

その併用塾のほうからいろんな講座を受講するように言われているそうで、それらを受講した方がいいかどうか、迷っているとのこと。

勧められるように受講すべきか、消化不良になる恐れがあるので受講を見送るべきか。

どうするのがいいか相談されました。

 

「過去問演習の講座を追加するよう言われています。あと、数Ⅲの講座も。」

「過去問を今やっても全然できないから意味ない気がするんです。」

「数Ⅲは学校で補習をやってくれるっていうし、これをやればいいんじゃないかと思うんです。」

 

K 君はこのように考えているよう。

 

一般的に考えて、消化不良はよくありません。

入試本番では完璧にマスターしたことしか使えないからです。

なんとなくやった程度のことが役に立つほど甘い戦いではありません。

こういう場合、私は「消化不良にならないように授業は制限した方がいい」とアドバイスするのが普通です。

 

「学校の授業、塾の授業の復習にどれだけ時間が必要か1週間のスケジューリングをして、余裕があれば受講してみたら?」

 

こんなふうにアドバイスします。

しかし今回は少し違うことを考えていました。

 

K 君に限らず、大学受験をする生徒にとって最終目標は志望校の合格です。

合格するためにどうしていくべきなのか悩むのは当然です。

しかし、今回のケースでは K 君の相談はピントがずれています。

講義を追加するか否か、どちらを選ぼうと合格する可能性が高くなるように思えなかったのです。

 

学習内容の消化不良はよくありません。

かといって、確実に消化できる量が少なすぎてもいけません。

合格のためには最低限このレベルに達しないといけないという合格最低点が存在しますので。

どういうスケジュールで何をどこまでやるつもりでいるのか。

この視点が抜けている状態で、講義を追加するか否かを考えても仕方がありません。

 

「一般的に考えて、消化不良を起こすのは良くない。

かといって、やることを減らしたら合格できるかと言ったらそうとも限らない。

K 君、今日の宿題をやり切ってこれなかったよね。

そんな状態では追加講義を辞めたところで合格するとは思えない。

やることやっていないんだから。

それならむしろ、講義を追加して授業を受けているだけのほうがまだマシかもしれない。」

 

「学校の補習もあてにしすぎたらだめだよ。

あくまでもやるのは自分。

自分の勉強のスケジュールがあって、それをもとに考えてみて、補習が役に立ちそうだったら受ければいい。

ただ受けるっている後ろ向きな姿勢でこういう補習を受けても成果なんか出ないよ。」

 

現役生が受験勉強のスケジューリングをするのは簡単ではありません。

入試問題の難易度を客観的に判断できないからです。

どのレベルまでできるようにならないといけないのかがわからない状態で、何をいつまでにやるべきかという計画を立てることはできません。

(早めに過去問に取り掛かるとスケジューリングができるようになります。これができると強みになります。)

だから私は、現役生にとって大切なのは、「この1週間はこれをやり切る」という気持ちというか、覚悟ではないかと思います。

どんな講義を受けるかということより大切なことだと思います。

 

なるべく成功しやすい道を選びたいという気持ち、わからなくはないです。

しかし、結果を出している人って、単に選択がうまいだけの人ではありませんよね。

自分が選んだ選択肢を、成功に導くために必死になって努力する人。

こういう人が成功するんじゃないでしょうか。

 

社会に出て結果を出す人ってどんな人でしょう。

決められた期限までに仕事を完了できる人。

スケジューリングができる人。

必要に応じて助けを得ることができる人。

そのためには、仕事についてよく勉強・研究できている必要があります。

そうでなければ他人に助けを求めることも、期限までに仕事を終えることもできません。

これ、勉強も同じですよね。

スケジューリングだとか、期限内に自分の決めた課題をやりきるだとか。

こういうことができる人が志望校の合格を勝ち取り、ゆくゆくは社会に出て活躍するんだと思います。

 

大学受験っていうのは勝ち残り競争だと思っています。

スケジューリングの力ややり切る力を持っている人から合格していく。

そこを他人任せにしている人は、結局勝ち残れない。

教科の内容を教えることはできますが、こういうことって教えるのは難しいです。

本人のやる気とか、行動力に関係しているところなので。

大学受験では強いライバルがたくさんいます。

ライバルたちは、社会に出て結果を残すような人たちばかりです。

他人にやる気を出させてもらわなければいけない人が勝ち残れるとは思えません。

ここは本人に奮起してもらいたいと思います。

奮起できないというのなら、残念ながらそれまでということ・・・

 

受験勉強って大変だと思いますが、大学受験ができるということは贅沢なことです。

それを理解することができず、奮起できないのであれば、そもそも大学へ行く資格がない。

厳しいかもしれませんが、私はこう考えています。

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