【高校生指導】熱力学について基礎からじっくりと・・・

普段は数学と英語の指導を受けている高3のN君、本日はちょっと物理の指導を行いました。

N君が言うには、

 

「熱力学が全然わかりません。」

 

とのこと。

もう少し細かく話を聞いてみると、内部エネルギーや熱力学の第一法則に関する問題がわからないようなので、これについて説明をしていきました。

 

問題を解く前に、「内部エネルギー」についてしっかり説明をしておきます。

 

「そもそもエネルギーって何かって言うと、『仕事をすることのできる能力』のこと。」

「気体がどうやって仕事をするかっていうと、気体の分子がピストンなんかにガンガンぶつかって押して動かすことによって仕事をする。」

「ガンガンぶつかる力が強くなるとピストンを強く押すことができるから、仕事が大きくなる。」

「気体の分子がピストンにぶつかる力が強くなるということはどういうことかというと、気体分子の速度が大きいということ。」

「『気体分子の速度が大きい=気体分子が激しく動いている=気体の温度が高い』」ってことだから、気体の持つエネルギーである内部エネルギーというのは、温度が高くなると大きくなる。」

「そしてもう一つ重要なことは、内部エネルギーっていうのは温度にのみ依存しているということ(物質量 n は一定としたとき)。」

「問題を読んでいると、気体の圧力・体積、外部から与えられた熱量とか、いろんな情報が書いてあるけれど、温度さえわかれば内部エネルギーは求めることができる。」

「内部エネルギーの式は U=3/2 nRT だけど、この式の言っていることをちゃんと理解できていると、一気に問題は解けるようになる。」

 

ちょっと長くなってしまいました^^;

内部エネルギーの話をしてから、次に熱力学の第一法則の話をします。

 

「熱力学の第一法則は、『気体の内部エネルギーの変化量は、外部から与えられた熱量と仕事の和に等しい』っていう法則だけど、これも何が起こっているのかを考えるとよくわかる。」

「さっき説明したけれど、内部エネルギーっていうのは気体の温度が高くなると大きくなる。」

「だから当然、外部から熱を与えられれば内部エネルギーは大きくなる。」

「外部から仕事を与えられるっていうことは、気体が圧縮されるっていうこと。」

「気体って圧縮されると温度が上がるから(授業ではここも具体例を挙げて説明しました)、やはり内部エネルギーが大きくなる。」

「この原理がわかっていれば、熱力学の第一法則はたいして難しくない。あとは問題を見ながら補足説明をしていくよ。」

 

こういって、あとは問題の解き方を説明していきました。

定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化の時に熱力学の第一法則や内部エネルギーがどうなるのか。

定積モル比熱や定圧モル比熱は何なのか、どうやって使うのか。

こんなことを説明しました。

そして大切なことは、定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化といった変化のうち、実際に何が起こっているのかを問題文からしっかり読み取ることです。

(物理はこの「読解力」が有るか無いかで正解にたどり着けるかどうかが決まります。)

問題文のどういうところに注意していかないといけないか、ポイントを説明しました。

 

一通りのことを説明しましたが、以上のことがわかっていると、似たようなことを繰り返していけばほとんどの問題を解くことができることがわかります。

そのあたりの説明も、具体的に問題を見ながらN君には説明をしました。

最終的にはN君も、

 

「わかってしまえば簡単ですね。」

 

と言ってくれました。

まさに物理はこれなんです。

ただ、今は私がしっかり説明をした直後だから、時間がたってから改めて考えてみると「?」となる可能性もあります。

しっかりおさらいをしておくよう、N君には話をしておきました。

物理は何かと嫌われることの多い教科なんですが、ちゃんと考えていけば理解しやすい教科なので、あまり敬遠せずに前向きに取り組んでもらいたいと思います。

N君もその1人になってもらえたらなと思っています。

 

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