【中学生指導】嫌いな社会も楽しくなる?歴史はドラマだと思ってみましょう。

中学2年の M 君の体験授業の時の話です。

指導のやり方を一通り紹介した後、時間が余っていたので M 君に好きな教科・嫌いな教科のことをいろいろ聞いていました。

M 君はよくできている生徒なのですが、社会が嫌いとのことです。

そこで社会のことについて話をしてみました。

 

「M 君は社会が嫌いって言っているけど、歴史が嫌いなの?地理が嫌いなの?」

「どっちもです。」

「そうか。社会が嫌いな人って、社会をただ覚えるものだと思っているんだよね。確かに覚えるだけだったら絶対に面白くなんかない。」

「歴史の話をするけれど、歴史って、簡単に言えば『ドラマ』なんだよ。M 君は大河ドラマ見てない?」

「見てないです。」

「わかった。じゃあちょっと違う話をしよう。」

「大化の改新って覚えている?中大兄皇子とか中臣鎌足が出てきたとこ。」

「覚えています。」

「じゃあ、どうして大化の改新をやったかってわかる?」

「わからないです。」

「あの頃中国に、『唐』っていう国ができた。遣唐使が行っていた国ね。唐は国力を強くして、『高句麗』という国へ攻撃をし始めた。」

「それを見ていた当時の日本の偉い人たちは、『そのうち唐が日本へも攻めて来るんじゃないか?』って不安になった。」

「当時の日本は蘇我氏が権力をふるっていたけれど、そのままでは唐が攻めて来た時に対抗しきれない。」

「日本が一丸となって唐から国を守るには、まず日本国内をしっかりまとめなくちゃいけない。」

「だから大化の改新という、政治改革をやったんだよ。」

「それから唐は新羅と組んで、日本の同盟国であった百済を攻めた。」

「日本は百済に援軍を送ったけれど、戦いには負けて百済は滅んじゃった。」

「そしていよいよ日本が攻められると考えて、北九州に城や石垣、堀なんかを作り、防人という兵士を配置して備えた。」

「この時は結局、唐は日本へ攻めてこなかった。」

「M君にわかってほしいのは、当時の人たちは何となく大化の改新をやったんじゃないということ。」

「自分たちが生き残るためにどうしたらいいか必死に考えた結果が大化の改新だったんだよ。」

 

「ちなみに、中国にある国が朝鮮にある国と一緒に実際に攻めてきたことがある。何かわかる?」

「元寇ですか?」

「そう。その時の日本は鎌倉幕府の執権・北条時宗が御家人を集めて戦った。」

「日本は他にもいろんなことを経験してきた。」

「飛鳥時代の人は大化の改新をやった。北条時宗は元と戦って勝ったけど、鎌倉幕府は滅んじゃった。」

「M君だったらどうする?同じように大化の改新をやる?元とは戦う?」

「そして、今の日本にも外交問題がある。」

「M君はどうしたらいいと思う?どうやって解決する?」

「・・・・」

 

私が M 君に聞いたこと、中学生に答えられる問題ではありません。

(私だって今の日本の外交問題を解決するような方法をわかるわけありませんから^^;)

私は M 君に、

 

「歴史っていうのは、その時代を生きた人が必死になって考え、行動し、生きてきたことの集大成なんだよ。」

 

ということを知ってもらいたかったのです。

(これを簡単に言えば、「歴史はドラマ」ってことになるのだと思います。)

ちょっと難しい話だったと思いますが、

 

「M 君ならわかってくれるかな」

 

と思って話してみました。

(地理に関しても話をしたのですが、ここでは割愛します。)

少しでも社会が好きになってくれたら嬉しいです。

 

生徒たちに影響を与えられるこの仕事、大切にしていきたいと思います。

 

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