先週のことです。
植田南小の６年生のあるクラスで、たくさんの単元テストがありました。
G君はそのテストに向けて（特に算数を）がんばって勉強していたのですが、問題が難しかったこともあり、期待していた点数を取ることができませんでした。
本当によくがんばっていましたから、その分だけショックも大きかったようです。
点数だけを聞いていてはよくわからないこともあるので、G君に答案を見せてもらいました。
「裏面の『説明を書いて答える』問題は難しかったね。計算ドリルにもこの問題は無かったし、これができなかったことはそこまで気にしなくていいと思う。」
「立体の体積を求める問題（直方体や円柱の一部がくりぬかれている立体）は事前に勉強していたから、これができなかったことは反省しないといけないね。」
こんな具合に分析してG君に伝えたのですが、G君は落ち込んだままです。
「落ち込んで神妙な顔をしていることは反省でも何でもないよ。何がいけなかったのか考えて、今度は同じ間違いをしないようにすることが反省だからね。」
小学生には厳しい言葉ですが、G君はわかってくれると思ってこう言いました。
G君はまだ元気はありませんでしたが、次第にいろいろと話をしてくれるようになりました。
G君は、今回のテストで思うような点が取れなかったことに加えて、クラスの友達がそこそこいい点数を取っていたことがショックだったようです。
中にはテスト勉強をほとんどしていなくて１００点を取っていた子もいたそうです。
だから、「できる人は勉強しなくてもいい点が取れて、できない人は何をやってもできないんだ。」とあきらめに近いことを考えていたようです。
「全く勉強しなくてテストができる人はいないよ。だって『公式』を知らなかったらいくら頭が良くても算数の問題は解けないから。」
「でも家庭学習を全くしなくてテストができる人はいる。そういう人は授業でちゃんと覚えちゃっているから、家で勉強しなくてもできる。」
「先生の話を聞いただけで理解出来るのは、その人がこれまでコツコツ勉強を考える訓練をしてきたから。G君は今回よく勉強していたと思う。これまでコツコツずっと勉強してきた人と比べたらまだまだまだ足りない。」
私はG君にこんな話をしました。
元々頭がいい人はいない。コツコツ勉強してきたから頭がよくなっただけ。
頭が良くなれば家庭学習をしなくても授業だけでテストができるようになる。
という風に、コツコツ勉強することの大切さを説明したつもりでした。
しかし、G君には「頭のいい人は授業を聞くだけでテストができる」というところばかりが強調されて伝わってしまいました。。
そこで私はもう少し話をしました。
「将棋の羽生さんは小２から、野球選手のイチローは小３から本格的に練習している。もし、本当に才能だけで一流になれるんだったら、子供のころからやっていなくてもなれるんじゃない？みんな一生懸命やっているんだよ。」
こういった話をしました。
（練習に練習を重ねることで一流になるというのは、私がG君を励ますために言った思い付きなどではなく、最新の研究で明らかになっていることです。）
あとは最後におまけとして、
「僕はG君より算数ができるけれど、それも才能なんかじゃなく、ずっと勉強してきた成果だから。」
「僕も一応大学には行ったし、小さいころ周りから『頭がいい』と言われたことあるけど、そういう人って僕より勉強していなかったり、真面目に授業聞いていない人ばかりだったから。」
とだけ付け加えておきました。
いろいろ話をしていたら、G君は少し元気を取り戻してくれました。
テストの点数はもう一つでしたが、今回努力したことは忘れずに、継続して頑張ってもらいたいと思います。
G君はまだ小学生。これからです。
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