私はこれまで、中学受験あまりいいイメージを持っていませんでした。
「小学生のころからそんなに詰め込んで勉強しなくていいんじゃないか」と、漠然と思っていたという理由もありますが・・・。
最大の理由は、私が塾で働いている中で、中学受験・私立中への進学がきっかけで全てが悪い方へ悪い方へと行ってしまっている生徒をたくさん見過ぎてしまったからです。
レベルの高い同級生と競うことに疲れ、意欲を失った私立中学生。
高校受験が無いからと、頑張るべき時に頑張れなくなった私立中学生。
中学受験の失敗がトラウマとなり、挑戦することに憶病になった公立中学生。
私立中学で学び損ねた基礎を、高校で取り戻すのに苦労している高校生。
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いろいろな生徒がいました。
塾というのは基本的に勉強に困ったときに来るところですからね、致し方ないのかもしれません。
また、私が塾で働くようになって最初に担当したのが「私立中学」のクラスだったことの影響もあるかもしれません。
当時の私は塾のことを良く知らなかったので、余計に心理的インパクトが強かった気がします。
では今はどうかというと、少し考え方が変わってきています。
塾で小学生たちを見ていて、全員が全員、たくさん勉強することを嫌っているわけではないことを知ったからです。
口では「勉強は嫌だ」と言う子も、塾に来て勉強することを意外と楽しんでいることがあります。
勉強をがんばって結果を出したときは「がんばってよかった」と喜びますし、そうでなくても勉強をがんばることのできる自分を発見して「俺だってがんばって勉強やれるんだ」と、がんばっていること自体に喜びを見出していたりもします。
勉強を嫌々やっている子がいないとは言いませんが、「ただ無理やり詰め込まされているだけ」というのは私の認識違いなのかなと、小学生を見ていて気付かされました。
好きなTVを見る、友達と遊ぶ、どこかに出かける・・・、どれも楽しいことです。
それに比べたら一生懸命勉強する、ピアノ・野球などの(遊びではなく)練習をする・・・、その瞬間は楽しくないかもしれません。
でも、一生懸命やることで「喜び」を得ることができるのではないかなと思います。
楽しいことは簡単にできても一生懸命やることでしか「喜び」は得られないといった方がいいかもしれません。
たとえそれが小学生であったとしても。
そう考えると先ほど私が述べた「中学受験・私立中への進学がきっかけで全てが悪い方へ悪い方へと行く」というのは、受験自体が悪いというわけではなく、学校が合わなかったというだけなのかなと思うのです。
だから私は今でも、受験する学校だけは慎重に決めなければいけないと思っています。
「なにくそ」という気持ちが強い子であったら、どんどん上を目指せばいいと思うのですが、全員が全員気持ちが強いわけではありませんからね。
「努力で壁を乗り越えた経験」が、「なにくそ」という気持ちを育てる。
ただ、初期の段階で高すぎる壁にぶつかると、壁を乗り越えようとする意欲がなくなる。
だから大人が、乗り越える壁を低いものから順番に並べなおして経験値を順に増やしてあげる。
これが大切なのではないでしょうか。
(個人差はあると思いますが、「なにくそ」という気持ちは高校受験の時点ではまだ不十分で、大学受験のころから徐々に芽生えるのではないかなと私は思います。)
子どもに無茶をさせ過ぎないよう配慮すれば、一生懸命取り組むことの喜びを伝えることができる。
私は中学受験に対し、現在はこのように考えています。
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