選挙と「話し合って決める」日本の歴史

私たちにとって、選挙はごく当たり前の制度ですが、その形が現在のようになるまでには、長い時間がかかっています。
衆議院選挙の行われる今日、教科書に書かれていることを中心に歴史を振り返ってみたいと思います。
明治から現代までの選挙の歴史
日本で初めて国会議員を選ぶ選挙が行われたのは、明治23年(1890年)です。
ただし、このとき選挙権を持っていたのは、
- 25歳以上の男子
- 直接国税を15円以上納めている人
に限られていました。
実際に投票できたのは、国民のごく一部でした。
その後、条件は少しずつ緩和され、
- 直接国税3円以上の男子
- そして大正時代には、25歳以上の男子すべて
へと広がり、日本で初めて「普通選挙」が実現します。
戦後になると、20歳以上の男女すべてに選挙権が認められました。
さらに近年、成人年齢の引き下げにともない、現在は18歳以上が投票できるようになっています。
このように、選挙権は最初から当たり前にあったものではなく、長い時間をかけて少しずつ広がってきた権利です。
選挙以前からあった「話し合い」の仕組み
では、選挙が始まる前の日本では、民衆の意見はまったく政治に反映されなかったのでしょうか。
実は、そうではありません。
惣・寄合(室町時代)
室町時代の村では、「惣(そう)」と呼ばれる自治組織がありました。
村の人たちは「寄合」という話し合いの場に集まり、
- 年貢の負担
- 水や山の利用
- 村の決まりごと
などを相談して決めていました。
すべてを領主に任せるのではなく、村のことは村で話し合って決めるという考え方が存在していたのです。
五人組(江戸時代)
江戸時代には、農民や町人を5人1組にまとめた「五人組」という制度がありました。
- 年貢の納入
- 犯罪やトラブルの防止
- 日常生活の管理
などを、組の中で相談しながら行いました。
小さな集団ではありますが、話し合いと連帯責任によって社会を成り立たせる仕組みでした。
目安箱(江戸時代)
さらに江戸時代には、将軍が「目安箱」を設置しました。
身分に関係なく、意見や要望を書いて投書できる仕組みで、実際に政策に生かされた例もあります。
現代の民主主義とは形が違いますが、為政者が民衆の声を聞こうとした工夫の一つでした。
「話し合って決める」歴史の積み重ね
こうして振り返ると、
日本では選挙が始まる以前から、
- 村で話し合う
- 小さな集団で責任を分け合う
- 意見を上に届けようとする
といった試みが行われてきたことが分かります。
もちろん、これらがそのまま民主主義だったわけではありません。
しかし、一人の判断ですべてを決めるのではなく、話し合いによって物事を決めようとする考え方は、
日本の歴史の中に確かに存在していました。
その積み重ねの先に、私たちが今参加している「選挙」という制度があるのだと思います。
教科書の内容は、「今」を理解するための材料です
教科書に出てくる出来事や制度は、単にテストのために覚えるものではありません。
選挙の歴史や、惣・寄合、五人組、目安箱といった仕組みを見ていくと、教科書に書かれている内容が、現在の社会のあり方につながっていることが分かります。
「話し合って決める」「意見を集める」という考え方は、形を変えながら、長い時間をかけて受け継がれてきました。
教科書の中の歴史は、過去の話で終わるものではありません。
今の私たちの社会を理解するための、大切なヒントでもあります。
そんな視点で教科書を読み直してみると、社会科の見え方も、少し変わってくるのではないでしょうか。
最後に
衆議院選挙当日は塾でテスト対策をやっているので、私は期日前投票しました。
記念に写真撮影してきたんですが、ちょっとずれていました💦

