入試対策で大切なこと ― 薄いテキストの意味

中学生というより、大学受験をする高校生によく言われることですが、「なるべく薄いテキストを使うとよい」という話があります。
この考え方には私も賛成です。

理由はいくつかあります。
まず、薄いテキストのほうが途中で挫折しにくい。
そして、何度も繰り返し解きやすい。

ただ、個人的にはもう一つ、もっと大事な理由があると思っています。
それは、全部終わったときに、最初にやった内容を覚えていられるからです。

入試対策をする生徒が案外見落としがちなのが、「やったことを忘れる」ということです。

勉強は、やればやるほど力がついていくように思いがちです。
しかし実際には、やったことは時間とともに忘れていきます。
だからこそ、何度も解くことが大切になります。

ところが、2回目に取り組むときに、1回目にやったことをほとんど忘れてしまっていたらどうでしょう。
それでは、せっかくの復習の効率があまりよくありません。

「勉強しているのに、なかなか成績が上がらない」という生徒には、この傾向がよく見られます。

私は、中学生の勉強の実力とは、一度やったことをどれだけ覚えていられるかだと思っています。

定期テストでは点数が取れるのに、実力テストや模試になると点数が下がる。
いわゆる「実力がない」と言われてしまう生徒は、以前にやった内容を忘れてしまっていることが多いのです。

そういう場合、分厚いテキストを1冊終わらせるよりも、
薄いテキストを何度も回すほうが効果的です。

とはいえ、中1から中3までの内容をすべて復習しようとすると、どうしてもある程度の量にはなります。
そこは、最終的には勉強時間でカバーするしかありません。

こんなことを考えたのは、学年末テストが終わって補習を再開したときのことでした。

補習では、これまでの内容を最初から復習しています。
すると、以前やったはずの内容を忘れてしまっている生徒がいました。

テスト対策に集中している間に、前にやったことが抜けてしまっていたようです。

もちろん、忘れること自体は悪いことではありません。
人は必ず忘れるものです。

だからこそ大切なのは、忘れても、もう一度思い出せるようにしておくこと。

そのために、何度も復習する。
それが一番確実な勉強法だと思っています。