「再テストやります」と言ったA君を止めた理由

火曜日の話です。
ある中2の生徒。ここではA君としましょう。
A君、理科の小テストが60点未満だったので、再テストになりました。
当塾では、60点未満の場合は答案を返却しません。
間違った答えだけ覚えて、その場しのぎでクリアすることを防ぐためです。
再テストは、原則として次回の授業開始前に実施します。
ただ、この日はA君、演習が早めに終わり時間がありました。
「今から勉強して、できそうなら再テストやります」
そう言って、ワークを開きました。
しばらくして、
「再テストやります」
とA君。
その瞬間、私は少しだけ引っかかりました。
(本当に大丈夫かな…?)
経験上、“早すぎる自信”は少し心配になります。
そこで私は言いました。
「今やったところ、どうやったか見せてくれる?」
ワークを見せてもらいました。
けれど──
途中式がない。
別のノートにやり直した形跡もない。
「これ、どうやって解いたの?」
そう聞くと、A君は少し固まりました。
答えを見ながら進めていたわけではありません。
でも、“考え直した跡”がない。
つまり、もう一度出されたら解けるかどうかは怪しい、という状態です。
私はこう伝えました。
「ちょっとこれだと、テストはできないかな。
わからないところがあったら教えるから、もう少し勉強してきてみよう。」
A君は少し悔しそうでしたが、うなずきました。
結局、この日は再テストまでいかず、別日に実施することになりました。
ここで大事なのは、
小テストを“クリアすること”と、
必要事項を覚え、理解することは別だということです。
今回のA君の行動は、前者でした。
・とりあえず解けた
・なんとなくできた気がする
・だから再テストを受ける
でも、それでは力になりません。
再テストは“通過点”です。
目的ではありません。
勉強で一番怖いのは、
「できたつもり」
です。
・途中式を書いているか
・説明できるか
・同じ問題をもう一度出されたら解けるか
ここまで確認して、初めて「できた」と言えます。
A君は悪くありません。
むしろ、早く再テストを受けようとしたこと自体は前向きです。
だからこそ、
その努力が“本物の力”になる形に変えてあげたい。
そう思っています。
勉強するとき、少しだけ気をつけてほしいこと。
「早く終わらせること」よりも
「もう一度解ける状態にすること」
ここを意識するだけで、結果は大きく変わります。

